江戸東京博物館「狩野一信・五百羅漢展」



昨日、最近美術雑誌などでよく取り上げられている「五百羅漢展」
を観ました。
これでもかという感じのしつこいイメージ描写、狩野派的に形式
化された風景表現と、はっきりいって悪人面の異形の羅漢達
のミスマッチの面白さが、観るものに対して従来の日本画観を
変えさせるだけのインパクトがありました。

数年前になくなられた石田徹也氏の絵も、自分で絵を描くという
より、絵画のデーモンに憑かれて描かされている感じで鬼気迫る
ものがありますが、狩野一信の絵もそれに通じるものがあり、
現在の閉塞感の漂う時代だからこそ再評価される機会を得たと
いえるのでしょう。


それにしても、たった10年たらずのうちに、ほぼ畳一畳サイズに
びっしりと描いた密度の濃い絵を90枚以上も描けば、精魂尽き果
てて47歳で早死にするのも当然かもしれません。
今の私はせいぜい1年にF100号1枚程度しか絵が描けませんが、
それが自分のペースなのでこのままでいこうと感じました。



江戸東京博物館のとなりの両国国技館では五月技量審査場所という
ものがおこなわれていて相撲ファンがたくさん集まっていました。